漢方基礎講座
15. 経絡学説(2) 十二経脈


<経絡学説>
「経絡学説」は人体の経絡系統の生理機能、病理変化、臓腑、気血津液との相互関係を研究する学説であり、中医薬学理論体系の重要な構成部分です。


II. 十二経脈

 十二経脈は、経絡系統中の主要な構成部分で、その名の通り十二の経脈の総称です。

 人体の左右両側に対照的に位置し、上肢や下肢の内側や外側に走行し、一つ一つのそれぞれ一つの「臓」あるいは「腑」に属します。

十二経脈の各経脈はそれぞれ一臓一腑に属し、表裏をなす一臓一腑(「脾」と「胃」、「肝」と「胆」、「腎」と「膀胱」、「心」と「小腸」、「肺」と「大腸」)を連結しています。

 臓腑と皮膚・四肢筋肉組織は、十二経脈の働きにより連係しています。

  十二経脈には、それぞれに走向規則と分布範囲があり、その走向規則により大きく「手三陰経」、「手三陽経」、「足三陽経」、「足三陰経」の 4つに分類されます。

  「手三陰経」の胸から手先に、「手三陽経」は手先から頭に、「足三陽経」は頭から足先に、「足三陰経」は足先から胸に、それぞれ走向します。

これらの経脈は走向部位の違い(四肢の内側か外側など)により、それぞれ3つに分かれ、合計12の経脈となります。

  すなわち、胸腔⇒「手三陰経」⇒手指末端⇒「手三陽経」⇒顔面⇒「足三陽経」⇒足指末端⇒「足三陰経」⇒胸腔というように、 一つの循環経路を構成しています。

  十二経脈は、気血運行の主要な通路となっており、「中焦(五臓六腑の腑である三焦に属し、「脾胃」で飲食物から、 栄養分である水穀精微を運搬する)」にて受け取った「水穀精微」を「肺」に運び、肺で吸い込んだ「清気」とともに生成した気血を、 前述の循環経路を通じて、全身に行き渡らせる働きをしています。

(by 漢方アドバイザー・PhD.Ar)

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