漢方基礎講座
11. 生薬の基本作用(2) 五味


II. 五味

 薬物には、「辛」・「甘」・「酸」・「苦」・「鹹」という5種類の異なる「味」があることを「五味」といい、薬物の味(味覚)とともに薬物の作用も表しています。

 五味は四気とともに、陰陽五行の属性を持っています。辛・甘は「陽」に、酸・苦・鹹は「陰」に属し、また五行においては、 酸は「木」に属し「肝」に入る、苦は「火」に属し「心」に入る、甘は「土」に属し「脾」に入る、辛は「金」に属し「肺」に入る、鹹は「水」に属し「腎」に入るとされています。

 五味それぞれの性質は、五行理論に一致しています。すなわち、「辛味薬」は散らす(発散)作用、「甘味薬」は緩める(緩和・調和)作用、 「酸味薬」は収める(収斂・固渋)作用、「苦味薬」は堅める作用、「鹹味薬」は軟らかくする作用を持ちます。
 (弊社HP 漢方の知識「03. 五行とは?」を参照)

 このほか、利水(利尿)作用を持つ「淡」や、酸味薬と作用が類似している「渋」、香りがよい「芳香薬性」など「味」があります。

 すべての薬物には「性」と「味」があり、気味が同じ薬物の作用は類似し、気味が異なった薬物の作用は異なります。 また、ひとつの薬物が多くの「味」を持つ場合は、作用範囲(治療範囲)が広いことを示しています。

(by 漢方アドバイザー・PhD.Ar)

※「漢方の知識」のページでは、内容をわかりやすくするため、漢方理論を単純化してご紹介しています。  実際の治療方法とは異なっている場合がございます。ご了承のほど、よろしくお願いいたします。




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